地区内活動報告

9月4日クラブ青少年交換委員長会議

今回の目的は、各クラブの青少年交換委員に集まってもらい、青少年交換プログラムの素晴らしさと意義を伝え、次年度から「参加したい」と手を上げてもらうためでした。

私は、北中パストガバナーご夫妻に連れて行っていただいた、4年前にあった、シドニーで世界大会に初めて参加し、本大会と並行して行われていた『青少年委員会議』に参加した時の話をさせてもらいました。

その会議は世界中から青少年交換委員が集まり、交換プログラムの現状と課題点を共有し、一緒に解決するという内容でした。幾つもの分科会があり、オーストラリアのロータリアンが司会や基調講演をこなし、活発な質疑応答がありました。本気で、子どもたちを育成しようとする大人たちの熱気に包まれて、難しいけれども、楽しい時間でした。

「青少年交換プログラムの成否は、クラブカウンセラーにかかっている」という内容の基調講演に最も惹かれました。クラブカウンセラー、学校、ホームステイ家族の3者が、3身1体となって取り組まなければ、成功にたどり着かないプログラムなのです。その要にいるのが、クラブカウンセラーです。カウンセラーは、月に一度、ホームステイ先に連れてこられて例会で顔を見るくらいではダメで、常に学生の変化に気づけるように、学校やホームステイとコンタクトを取り、時には、叱り、時には励まし、常に側にいる良きアドバイザーであり、良き友人であるべき存在なのです。高校生たちは、いかに大きな体をして大人に見えていても、中身は、自分の家族しか知らない、自分の地域や生活様式しか知らない、まだ未熟な存在です。大人扱いするには早過ぎます。彼らにとって、支援者であり、リーダーであり、理解者であることを示すことが、大切です。1年のうちに、たいへんな時期が必ずあります。温かいアドバイスを与え、自らやる気を起こさせることができるのがカウンセラーという存在なのです。

留学を終えて帰国したばかりの長期留学の河南高校の米田真生さんと、短期留学の柑谷実咲さんに、報告をしてもらいました。インドネシアで、周りに日本人がひとりもいない中での体験は、想像を絶するストレスがあったものと推察されます。そのなかで、インドネシア語コンテストで1位を取り、他国から来ている留学生よりも一番うまくインドネシア語をマスターした体験は、今後の彼女の人生を左右するほどのものでしょう。辛かった時に助けてくれた家族の人たちとの絆は一生の宝だと思われます。彼女は、「この恩返しを日本でします」とキッパリと言ってくれました。

イギリスで3週間を過ごした柑谷さんは、最初の体調不良で、(本人はともかく)周りの人たちを振り回したということで、謝っていましたが、それもいい経験です。周りの大人たちが寄ってたかって、何とかしようと右往左往しているのを見ているから言える言葉ですから。彼女はホームステイ先の母親の計らいで、イギリスで働く日本人コンシェルジュと話ができたことが、彼女の進路を変えたと言っています。短い時間で観光に終わりがちな短期留学のなかで、いろんな出会いがあり、その体験をしっかりと受け止めた彼女のチカラを賞賛したいと思います。

2人の口から、お世話になった人々への感謝の言葉は、言わされて言っている言葉ではなく、心から湧き出た素直な気持ちだと思います。異文化に触れること、信頼できる人に出会うことは、人生を変えてくれます。ロータリーの青少年交換プとグラムは、「心の中に平和の砦をつくる」(ユネスコの前文の言葉)のに、最もふさわしい留学ではないでしょうか? 留学生に関わってくれた周囲の人々に感謝します。全世界の地元のロータリアンが親身になって貢献してくれていることに、最大の賛辞を送りたいと思います。

2640地区のロータリアンの皆さんも、本気で取り組んでみませんか?高校生にとって、素晴らしい機会を与えるだけでなく、ロータリアン自身の人生に喜びと豊かさを与えてくれると確信します。世界の平和は、絵空事ではなく、このように地道に人とつながることによってなし得るのではないかと思います。より多くのクラブが青少年交換プログラムに参加されることを願ってやみません。

ダウンロード