地区内活動報告

8月27日の帰国報告会について

山田正人

今年度は、短期留学をした生徒が15名いました。長期留学の6名と一緒に、報告会を実施しました。例年ですと、長期留学の生徒がパワーポイントを使いながら、1年間の体験を話すのですが、写真の説明が多く、観光旅行のイベントのような様相になるので、今年度は、長期留学生は8分、短期留学生は3分の、写真無しの「言葉だけでのスピーチ」をすることにしました。

先に、長期留学生が話をしてました。ミンザックさんを除くすべての生徒が最初の3ヶ月に英語を『聴けない』ということで、ホームステイ先の両親に泣いて助けを求めたり、『友達ができない』ということで、ホームシックになっている様子を口々に話してくれました。

倉山さんは、楽器が演奏できたり、美しい声で人を魅了できて、結果的には素晴らしい出会いを経験できたこと。石川さんも最初のホームスティ中に学校になじめず苦労をしたこと。ホームステイ先の温かい援助で立ち直ることができたこと。石谷さんの報告書は、いつも前向きな元気な内容だったので、さぞや順調に行っていると思いきや、語学学校に通いながらドイツ語の習得に苦労していたこと。米田さんはインドネシアでの留学で、他の留学生が外国人ばかり、周りに日本人がいなくて、言葉に大変苦労したが、その分、インドネシア語の習得が他の留学生より早かったと言うこと。丸田さんは、水泳という特技を活かし地域の学校でライフセーバーの資格を取ったこと、などが心に残りました。6人とも、日本にいたら経験しなかったであろう困難を体験してきました。その体験は、今後の人生でも生きてくるに違いないと思います。ちょとやそっとの困難に挫折しない強さを身につけたに違いない。そして、彼女たちを支援し続けてきたホームステイ家族やクラブカウンセラーの人たちとの出会いは、一生の宝になるでしょう。自分が一番困っている時に助けられた経験は、人に対して、より優しくなるということを実感してきています。直接恩返しできない分、自分と同じように困っている人を決して見捨てないという強い決意を抱いて帰ってきたようで、とても嬉しい報告でした。

昔から、『可愛い子には、旅をさせよ。』と言います。困難の壁を乗り越え、十分に意味ある旅をしてきました。『艱難辛苦、汝をものにす』。1年前の彼女たちから見ると大成長をしてきた姿があります。彼らの留学の成功の裏には、一人一人の境遇が違えども、それぞれの国に、若者を育て、信頼の絆で結ぶロータリーのネットワークがあるからだと思います。会ったこともない自分に対し、心から親切に対応してくれたロータリーファミリィーの人々にただただ感謝するのみです。。

短期留学生の報告は、3分という短さだが、その短い時間で、3週間の熱烈歓迎だけではない、体験を披露してくれた柑谷さんのスピーチを紹介しておきます。食が細い彼女が食べるものがなくてヘルプメッセージを出した後でも、嫌な顔1つせずに、彼女のリクエストに答えて色んな出会いをアレンジしてくれたホームステイ。現地で働く日本人コンシェルジェの方に合わせてもらって、それまでの漠然とした進路が、大学へと変わったといいます。英語習得は必須条件になりました。異文化体験は、色んな人に出会うことで、人生を変えてくれます。色んな手間や面倒を厭わず対応してくれた、彼女のホームステイ先の人たちに感謝の気持ちが自然と生まれました。そしてその出会いを、しっかりと心で受け止めた柑谷さんの意識の高さを褒めてあげたいです。

各委員さんに置かれましては、話ばかりを聞く2時間ではあったと思いますが、充実した2時間であったと思いたいです。青少年交換プログラムで、子ども達は確実に成長しています。これからの世代を担う若者にたちを育てるために、ロータリーとして、社会貢献できる最高のプログラムの1つが、青少年交換プログラムだと思います。より多くの人たちの参加を望みたいと思います。報告を聞いていただいたロータリアンの皆さんには、本当にありがとうございました。

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